ポエトリー・オン

「大人が子どものようにマンガを語れる居場所に」もり氏がラジオ配信を5年間辞められない理由

2025.06.22

「自分の好きを発信してみたいのに、勇気が出ないまま今日を迎えてしまった」

周囲の目が気になり、趣味嗜好をなかなか表に出せないのが大人という生き物。正直、音声や動画などのツールをフル活用し、最大限に愛を表現している人が羨ましくて仕方ありません……。

「マンガライターもり氏の好きなマンガを誰かと語りたいラジオ」は、パーソナリティーの「もり氏」さんとゲストが対談形式でマンガ愛を語る生配信番組。ときには3時間以上に及ぶ長尺スタイルにもかかわらず、累計放送数は150を超えています。

当メディアでは、もり氏さんのラジオに特別ゲストとして参加し、公開インタビューを実施! 初めて配信ボタンを押すまでのエピソードに加えて、自分の”好き”を継続して発信するなかで見えてきた景色を聞きました。


※サムネイルイラスト制作:彩まるるさん @cuprumbox

ーー初めに「マンガライターもり氏の好きなマンガを誰かと語りたいラジオ」がどのような番組なのかを教えてください

もり氏:毎回ゲストをお招きし、その方が”最もいま語りたいマンガ”をひたすらに紹介いただく番組です。

マンガライターもり氏の好きなマンガを誰かと語りたいラジオhttps://stand.fm/channels/5ee4dc3c9c38bc0326d5a29a

もり氏さん

とりあえず始めてみたところ、どんどんアイデアがあふれてしまいまして……。マンガ関連のテーマに沿ったプレゼン大会などをおこなう「イベント回」も定期的に実施するようになりました。

そんなこんなで、2025年8月で5周年を迎えることに自分でも驚いています。


ーー「イベント回」では、具体的にどのようなことをしているのでしょうか?

もり氏:初めて実施したイベント回である「『五等分の花嫁』第1回推しタッグトーナメント」を例に挙げて解説します。

※『五等分の花嫁』
少年マガジンで連載されていた大人気ラブコメ。五つ子でありながらも個性豊かなヒロインたちが話題を呼び、いまもなお”一番の花嫁はこの子だ”論争が続いている

『五等分の花嫁』第1回推しタッグトーナメントhttps://stand.fm/episodes/603a60e3ea0275036b67877c


参加者が2人一組になってもらい、推し花嫁を協力してプレゼンテーションしてもらう形式のイベントです。戦いは有無を言わさぬトーナメント形式で繰り広げられ、決勝戦では30分におよぶ4人での熱いフリートークに会場が沸きました。

イラスト制作:彩まるるさん @cuprumbox

ーーイベント形式での配信にあたり、準備などが大変だったのではないでしょうか?


もり氏:はい……。台本作成はもちろん、大会のルール設定や優勝者の景品の用意など、始めてみればやることが盛りだくさんでした。私を含めた8人でおこなったため、日程調整にも気合いが必要だったのをよく覚えています。

もちろんですが、誰かにお金をいただいて実施しているわけではありません。想像を超えるほどの労力を前に「自分は何をやっているんだろう?」と一瞬だけ冷静になったのは正直なところです。

ただ実際に当日を迎えて驚いたのは、配信中に1,000件を超えるコメントが付いたこと。やりきった爽快感だけでなく、マンガ好きの輪を広げられた事実に”やみつき”と言っていいほどの感覚が心を駆け巡りました。

以降、絶対に大変なのはわかっているはずなのに、イベント回を何度も開催してしまっている自分がいます。

イラスト制作:ササオアムさん @amu10machioka

ーーもり氏さんは、なぜラジオ配信を始めたのでしょうか?

もり氏:マンガライターをしているなかで、不特定多数に好きな作品の魅力を知ってもらうことに喜びを覚えていました。

また、ほかのライターさんの記事も読むのも大好きだったんです。同じマンガのことを語っているはずなのに、私とは異なる視点で考察やレビューをしている点にいつもワクワクさせられていました。

そのなかでふと「マンガ好き同士が長尺で作品への愛を語り合ったら、どんな面白い空間を作れるのか?」と興味をもったのが始まりですね。

ちょうど世間でも音声配信が流行りだしていたこともあり、2020年8月より『stand.fm』を使った配信をスタートさせました。

ーーラジオ運営をするなかで、気を付けていることがあれば教えてください

もり氏:私が大切にしているのは「好き」だけで完結する空間作りです。

決して批判チックになってしまわず、作品の良い部分だけを語れる場にする。いつ誰が聴いても「そうそう、そうだよね!」とハッピーな気分に浸れるラジオを目指しています。

イラスト制作:ササオアム さん @amu10machioka


ほかに意識しているのは、ゲストの人柄や魅力も引き出すような構成ですね。前半は参加してくれた方の紹介パートを入れ、後半は好きにマンガ愛を語ってもらうようにしています。

また私自身も、ゲストが語りたい作品を事前にチェックしたうえで対談に臨んでいます。もちろん話しやすい雰囲気作りのためなのですが、実は新しいマンガを読むきっかけにさせてもらっているのは秘密です。

ーー配信をしていて、辛いと思ったことはありますか?

もり氏:”前口上”をレギュラー化してしまったことは、このラジオをしているなかで唯一の苦しみです。

誰に頼まれたわけでもないのに、その回で語るマンガのセリフなどを絡めた小粋(?)なオープニングトークを入れ込んでいます。ただ、毎回あまりにもネタが思い浮かばなすぎて、本番を迎える頃には既にからだがこなごなになっています。

私のラジオの作り方vol2.もり氏ラジオ前口上にかける情熱と苦悩の創作秘話公開https://note.com/magicfeint/n/n42005586d17f#XDMv7

とはいえ、実際に「前口上が好き!」と言ってくれる方がいるので、いまのところは苦しみ続けていくつもりです!

イラスト制作:ササオアム さん @amu10machioka

ーー配信を5年近く続けているなかで、何か発見はありましたか?

もり氏:マンガの偉大さにあらためて気付けたことです。

マンガという共通のツールがあるだけで「初対面同士でもこんなに盛り上がれるの?」と思う場面に、これまで何度も遭遇してきました。

大人になってしまうと、作品の良いところを他人に話す機会が圧倒的に減りますよね。子どもではない私たちが、好きなものを100%で語り合える居場所を作れたのは、マンガラジオならではの効能ではないかと思っています。

そもそも、いままでの配信に登場してくれた50人以上の方々とは、ラジオがなければ出会っていなかったわけですから……。まだまだ、自由に好きなマンガを語りたいと思っている方からのご連絡をお待ちしています!

ーー最後に、発信活動をしたいけどなかなか勇気が出ない人に向けて、もり氏さんからメッセージをお願いします。

もり氏:全世界に何かを発信するハードルは、思いのほか低いことをお伝えしたいです。

私も初めての放送を開始する直前は、これまで経験したことがないタイプの緊張に襲われました。ただ同時に「どうせ誰も聴いていないから!」というマインドが働いたときに、配信ボタンを押す指が一気に軽くなったんですよね。

当初からゲストとの対談形式だったので「自分たちだけが楽しめればそれで良い!」ぐらいの気持ちで臨めたのは良かったかもしれません。

これらの考えは、5年近く配信を続けているいまも変わっていないのですから不思議です。周りからの評価を気にして、完璧な準備をしてから臨む必要もまったくないといえますね!

ーー2025年8月におこなわれるであろう「5周年記念ラジオ」ではどのようなことが起こるのでしょうか?

もり氏:それがですね、まっったくなにも決めていないんですよ。

イラスト制作:彩まるるさん @cuprumbox

もしかしたらこのスタンスこそ、5年間配信を続けられた秘訣かもしれません。「こんなイベント回やってみると良いかも?」などのアイデアについても、常に募集中です!

『マンガライターもり氏の好きなマンガを誰かと語りたいラジオ』 次回放送予定

そこに痺れる憧れるぅ!第1回推しキャラクタープレゼン大会

6月28日(土)20時30分~

https://stand.fm/channels/5ee4dc3c9c38bc0326d5a29a

ラジオへの参加希望・アイデアの提供はこちらのDMから

もり氏 @morishi0522