ポエトリー・オン

無銭配信8年→投げ銭累計3億円。「居場所がほしかった」JKが、トップライバーになるまで

2026.03.10

高校時代、原宿系読者モデルやイベントMC、バンド活動など、マルチに活躍していた優里香さん。一方で、華々しい経歴を持つ彼女がつねに抱えていたのは、誰にも言えない深い孤独でした。

「誰かと話したい」「自分の居場所が欲しい」。

そんな思いからスタートした配信活動は、気付けばファンからの投げ銭累計課金が約3億円となり、トップライバーへと駆け上がることに。

今回は令和のキャリアを歩む優里香さんに、無収益時代を支えた原動力や、自身の居場所である配信で生きることについて迫ります。

心の拠り所を求めるすべての人にとって、自分らしく輝くためのヒントが見つかるはずです。 

取材・文 もじじ

孤独から始まった配信。「必要とされたい」想いで8年無銭配信

―― まずは、優里香さんの学生時代について教えてください。

高校時代は、学校外での活動が生活の中心でした。

原宿系の読者モデルやイベントMCを始め、ギターや歌が大好きだったのでバンド活動もしていました。人前に立ち、表現する時間が、何より楽しかったですね。

優里香さん

当時は高校生が主催・運営するイベント団体「Up to you.」の幹部として、藤田ニコルさんをゲストに招き、Zepp Diver Cityを貸し切りにしたイベントも開催していました。

一方で、毎日夜遅くまで外での活動に追われていたため、授業中はほとんど寝てしまって(笑)。進学クラスで周りが受験モードに入っていくなか、次第に自分だけが浮いた存在になっていきました。

「おはよう」って言っても返してくれる友達がどこにもいない。お昼休みもいつも一人。学校には、自分の居場所がない——そんな孤独をつねに抱えていました。

―― 華々しい活動の裏で、寂しさがあったんですね。

そうですね。学校と外とのギャップのなかで、ずっと「本当の気持ちを誰かに聞いてほしい」という想いがありました。

そんななか、ふとしたきっかけで始めたのがツイキャスでのライブ配信です。はじめは雑談中心でしたが、大好きな弾き語りも配信に取り入れてみたら、褒めてくれるコメントが増え、視聴者も少しずつ伸びていきました。

「自分にはこんなに需要があるんだ」「あ、私、生きてるな」と心が満たされた感覚をよく覚えています。そこからツイキャスの世界にどんどんのめり込み、収益があるわけでもないのに8年間も配信を続けました。

ツイキャスは私にとって、学校でも家でもない第三の居場所になっていきました。

絶望と葛藤の先に選んだ「プロライバー」の道

―― 8年間無銭で配信をしていたなかで、本格的にライバーを仕事にしようと思ったのはなぜですか?

さすがに8年も配信していると、自分もリスナーたちも歳を重ねていきますよね。「私がいないと生きていけない」って言ってくれていた人たちも、ライフステージの変化に伴ってだんだんと離れていきました。

あんなに求められていたはずなのに、誰からも必要とされなくなってしまった。その虚無感に耐えられませんでした。

ツイキャスでは視聴者数がリアルタイムで表示されるんですが、歌っている最中にリスナーの数がカウントダウンみたいに減っていく。

「今、私うまく歌えてないんだ」と思いながら声を出し続けることがすごく苦しくて。努力しても誰にも届かない。そんな感覚に、とうとう限界を感じてしまいました。

ちょうどその頃、友人が配信していたBIGO LIVEを紹介してもらいました。やり方を教わり、思い切ってプラットフォームを移すことに。

“好き”をちゃんと仕事にすると覚悟を決めた瞬間でした。

―― 配信媒体を変えたことで、変化はありましたか?

ツイキャス時代は無銭で配信をしていたので、極端に言えばいつ休んでもいいし嫌になったらやめてもいい。趣味の延長でかなり自由にやっていたと思います。

一方でBIGO LIVEに配信の場所を移してからは、お金をいただいて活動ができるようになりました。ただ、当時の配信業界は今以上に狭い世界だったせいか、変な噂も立ちやすいし嘘も飛び交いやすい環境でした。

だからこそ、「優里香さんって、いい人だよね」って信頼してもらえる存在でありたいと、発する言葉や振る舞いにはつねに気を配るようになりました。

さらに、本気でライバーを仕事にするために、生活のほとんどをライブ配信に捧げるようになりました。

「ライブ配信を始めてよかった」と思ってもらうために

――当時はどのようなスケジュールで配信していたんですか?

眼科の受付(医療事務)として働きながら、朝の通勤やお昼休憩、帰宅してから深夜2時まで、時間があれば配信に費やしていました。

当時、配信場所はいつもお風呂場でした。夏はサウナみたいに暑くて汗だくになりながら、冬はタイルの冷気に体温を奪われ、全身をブルブル震わせながら配信していましたね(笑)。

お風呂場を掃除して、湿気を取って、機材を全部持ち込んで、終わったらまた片付ける。準備と撤収だけで1時間近くかかり、毎日4時間睡眠でエナジードリンクを飲みながら過酷な日々を過ごしていました。

※ 優里香『シンドローム』Official Music Video

―― とても大変そうですね…。

本当に。正直とても辛くて、このままの生活を送れば自分がダメになってしまうのではないかと感じていました。

そんななか、配信初月から目標以上の売り上げを達成することができて。BIGO LIVEを始めて1年で眼科を退職した私は、ライブ・タレント事務所「Office Lilyme」を立ち上げました。

起業に対して両親は猛反対でしたが、毎月の収入を数字で示しながら熱意を持って毎日説得を続けた結果、最終的には納得してくれました。

―― ライバーから起業しようと思ったのはなぜですか?

多くのことを独学で積み上げきたので、配信のノウハウやリスナーさんとの心の通わせ方も自分なりに大切に育んできました。 その道のりで感じる「このままで大丈夫かな」という孤独や不安が痛いほどよく分かるんですよ。

だからこそ、自分がサポートする立場になった時は、アドバイスをするだけではなく、不安に一番に気づいて、そっと支えてあげられるような伴走者になりたいと強く思うようになったんです。

トラブルなどで活動を辞めてしまう人を少しでも減らして、「ライブ配信を始めてよかった」と思ってほしい。そんな想いから、現在は約40名の所属ライバーに対して、徹底したサポートを続けています。

毎月、獲得報酬や配信時間などの目標を細かく設定して、月末には達成度を一緒に確認。所属ライバーの配信は必ずリアルタイムでチェックをして、注意点を伝えるときは必ず良いところをセットで伝えて、褒めることを大切にしています。

―― ご自身もライブ配信を続けながら、ライバーをサポートしているんですね。

私が先頭に立ってがんばる姿を見せることで、みんなが刺激を受けてくれると信じています。

「代表がこれだけがんばっているなら、私も負けていられない!」と思ってもらいたいので、今でも自身の配信時間は多く確保するようにしています。

絶対応援してくれる人はいる。その頑張りを諦めないでほしい。

―― 優里香さんのような人気ライバーになるにはどうすればいいんですか?

もちろん見た目は武器になると思いますが、ライバーにとって一番大切だと思うのは愛嬌と、感謝の気持ちをきちんと持てること。相手にしてもらったことを覚えていたり、「ありがとう」を言えたりと、情に厚い人には着いていきたいと思うものです。

あとは、明確な目的を持つことも必要不可欠。「配信だけで食べていきたい」「インフルエンサーとしてフォロワーを増やしたい」とか、はっきりとした目的を持っている人のほうが伸びる傾向があります。

いずれにせよなんとなく配信するのではなく、仕事として真剣に取り組むマインドは大事ですね。


―― そんなストイックな優里香さんだからこそ思う配信の一番の魅力は何でしょうか?

ライブ配信は、人の心を満たすものだと思っています。

たとえば主婦の方。外に出たくても出られない、誰とも話さない日があると思います。そんなときに、「いつもお疲れさま」「今日も頑張ってるね」そう言われるだけで、心がふっと軽くなることもある。

ライブ配信は、いろんな人の居場所になっていると信じています。

※優里香『Believe』Official Music Video

日々の生活のなかで、誰もが辛さや不安を感じる瞬間があると思います。そんなときに、ライブ配信を通じて「楽しい」と思える時間や、「自分はここにいていいんだ」と思える居場所、そして安心感を届けられることに、何よりも魅力を感じています。

最近では、ライバー同士が画面上で競い合い、どれだけ多く投げ銭をもらえるかを争う「バトル文化」と呼ばれるスタイルが広がっています。この文化は、ライブ配信業界の盛り上がりに貢献してくれている一方で、リスナーに投げ銭へのプレッシャーを感じさせてしまう側面もあるんです。

そんな背景もあって、私は一人ひとりが自分の魅力を活かして、リスナーが心から感動して「この人が好きだから応援したい!」と思えるような、純粋であたたかいライブ配信の文化を育てていきたいと考えています。

―― 最後に、ライブ配信が気になっている人にアドバイスをお願いします。

私は配信の世界に飛び込んで、『もう嫌だ、自分を変えたい』って必死にもがいたあの日の自分に心から『ありがとう』って伝えたいんです。

当時は毎日が孤独でした。でも、諦めずに一人ひとりと向き合い続けてきたら、かつての孤独が嘘みたいに、今はたくさんの温かい人たちに囲まれるようになりました。

不器用でもいい。目の前の人たちに対して真面目に、真っ直ぐに取り組んでいれば、あなたの想いは必ず誰かに伝わります。 あなたを理解し味方になってくれる人は、世界中に必ず現れるはず。

だから、どうか自分を信じて。新しいあなたらしい居場所が、ここから見つかることを心から願っています。

***

孤独をエネルギーに変え、逆境を乗り越えてきた優里香さんのキャリアには、諦めないことが夢を現実にする可能性を示してくれています。

ライブ配信を通じて、リアルステージでのライブも叶えたという優里香さん。彼女のさらなる活躍と挑戦が今から楽しみです。

優里香

X
https://x.com/YurikaMusic10

Instagram
https://www.instagram.com/yurika.s.v/

BIGO LIVE
https://www.bigo.tv/ja/user/yurikamusic10

ライバー・タレント事務所「Office Lilyme」

https://officelilyme.com/talent/yurika/

【Office Lilyme・主催イベント】

Lilyme FES 3rd

2026年3月21日(土)
開場:15:30 開演:15:45 
新宿LIVE HOUSE TOGI BAR (東京都)

優里香/miu/TIGHT/とと/てんちゃん/juri/のんたん/玲奈/女帝めろちぴ/mina/星ちゃん

チケット情報はこちら
https://livepocket.jp/e/lilymefes3rd

もじじ

取材ライター。 新卒で空港にて公務員として勤務した後、ワーキングホリデーでオーストラリアへ。帰国後はインバウンド領域に携わりながら、取材ライターとして活動を行う。