ポエトリー・オン

ー再演だけど前回の再現をするつもりはない。4月2日から始まる、舞台『明日の卒業生たち』にかける思いを語る【谷口航季 インタビュー後編 】

2026.04.09

47都道府県の学校に生の演劇を届けるプロジェクト『KIKKAKE CARAVAN』や、自主制作映画など、挑戦を続けているエンタメチーム imgの舞台公演『明日の卒業生たち』が2026年4月2日~4月12日、すみだパークシアターで開催される。

『明日の卒業生たち』は、『卒業』をキーワードに3つの時代をかけて描かれた作品だ。2016年の旗揚げ公演、2023年に再演、2025年には朗読劇、そして2026年3月10日には学校公演と、imgを代表する演目として上演を重ねてきた。

前回の『KIKKAKE CARAVAN』に引き続き、imgの主宰 谷口航季さんに今回の公演の見どころや公演にかける思いを語ってもらった。

取材・文・撮影moi

前編はこちら
『学生に生のエンタメを。』全国の学校に演劇を届けるプロジェクトが始動!初公演開催までの軌跡【谷口航季 インタビュー前編 】

谷口航季さん

ー 続いては4月2日から上演される『明日の卒業生たち』についてお話を伺っていきたいと思います。谷口航季さん(PN.八重島ツカサ)が脚本を担当されたこちらの作品は、先日の学校公演も合わせると今回で5度目の上演となりますね。


 そうですね。再演にはなりますが、全公演で違うことに挑戦する意識をしています。

前回の演出は僕が担当しましたが、今回は3年前の公演に出演してくださった丸山正吾さんに演出をお願いしてみました。どんなものを作り上げてくれるんだろうと、純粋にワクワクしています。 

劇場も三方向から見られる形にしたり……まぁ来てからのお楽しみなんですけどね(笑)。同じタイトルの舞台でも、自分の伝えたい軸が変わったタイミングで脚本は変えています。

再演だけど、前回の再現をするつもりはありません。

※【始動】#11舞台『明日の卒業生たち 』新たな卒業の物語、製作の裏側【BEHIND STORY】

ー この作品はimg旗揚げ公演の作品ですよね。この脚本を書こうと思ったきっかけがありましたら教えてください。

公演が春なこともあり『卒業』をテーマに。学校、人との関わり、夢……いろんな卒業を一つの作品で描けるなと思い、自分が大好きな群像劇にしました。

 劇中に恩師の話が出てきますが、それは僕の実話なんです。上演の4か月前の出来事だったので、じゃあもうそれを包み隠さず入れよう、自分の母校の時の体験談も入れよう、先生の話も聞きに行こう、自分の思い出を盛り込んでいこう!と突っ走って書き上げた感覚です。

ー 色んな方の実体験が元になっているんですね。谷口さんは、脚本の書き方にもこだわりがあると聞きました。

 そうですね、ほぼほぼ実話です。ちなみに僕が台本を作る時は、登場人物の設定から書くようにしています。好きな作家さんがそうやって書いているからなんですけどね。

※【恩師との別れ】#13「明日の卒業生たち」もう一つのきっかけ【BEHIND STORY】

生い立ち、好き嫌い、物事への感じ方……全員分を自分の中で決めてから書き始めるイメージで。再演版では登場人物の設定だけで62ページあって、主人公は7ページぐらいあったんじゃないかな(笑)。

そういう脚本の書き方をしていると、僕の都合ではなくその登場人物がそうだから物語が進んでいくんです。『明日の卒業生たち』も、登場人物たちの話をただ見せているという感覚があります。


ーありがとうございます。谷口さんから見た今回の稽古場の雰囲気を教えてください。

 今回の演出は僕ではなく丸山さんなので、稽古の進め方を見てるのも新鮮で楽しいですね。

キャストも、大人組は作品へのアプローチの仕方などをしっかり考えてくれてます。若手組は登場人物と年齢が近いのもあるので、そのリアルさをより出していくための方法を、丸山さんと一緒に丁寧に作り上げていってくれていますね。

 稽古も、はじめは時代などのシーンごとに分けて進めていました。ただ、全員揃って初めて通し稽古をした時に、それぞれが何かをキャッチしたなという実感があったんですよね。

出演者自身が「物語の力」を受け取ってくれたことがとてもありがたいです。

ー キャスティングについても、意識したことがあればお聞きしたいです。

 今回は、今までの役のイメージと違う方を呼んでみたり、役と実年齢が近い方を選んだり、もともと関係値のある人を関係の深い役に当てたりと、意識的に変えたところが多かったですね。

たとえば、矢島舞美さんと飯窪春菜さんはハロプロの先輩後輩で、青春時代をともに駆け抜けてきた間柄。そんな2人がこの作品でどんなやりとりを見せてくれるのか、自分でも楽しみにしています。

※矢島舞美-インタビュー/#あす卒2026 【明日の卒業生たち】

※飯窪春菜-インタビュー/#あす卒2026 【明日の卒業生たち】

 初めて一緒にやる方が多い座組なので、稽古で予想外のことが起きるんですよ。知ってる子だと、演技を想定通りにもってきてくれることが多いので。新鮮でありつつも、いつも通りのことができているなと感じています。

ー最後に、このインタビューを読んでくださった皆様にメッセージをお願いできますでしょうか?

 『明日の卒業生たち』では『恩返し』という言葉が何度もでてくるんです。僕自身も様々な経験を通じて、青春時代にお世話になった方々に、ある種の恩返しができたらいいなという気持ちがあります。

この作品をきっかけに、自分が恩返ししたい人をあらためて見つめ直す……じゃないですけど、大切な人に感謝を返せるように生きてみるのはどうでしょうか。人は1人では、生きていけないと思うので。

「面倒くさいな」「生きるのだるいな」と思ったりするのであれば、自分のためだけでなく別の人のために生きるのも悪くないと、気軽に思ってもらえたらいいなと僕は思っています。

実際に今僕は、作品を通して恩を返している途中です。だからみなさんも、誰かと向き合うことを諦めないでほしいです。

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『明日の卒業生たち』衣装付き通し稽古を見学させていただきました!

(以下写真)

谷口航季
@tkimg_section92

エンタメチーム img
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imgイメージch
https://www.youtube.com/@imgchannel1825

舞台「明日の卒業生たち」
2026年4月2日(木)〜4月12日(日)
すみだパークシアター倉
最新情報はこちらから
https://asusotsu2026.studio.site/